パレスチナの若者の遺言

エルサレムにある、イスラームの聖地アルアクサモスクとその区域を巡る対立と流血は、続いている。
そして、それはいつ大爆発するやもしれぬ、大きな不信と憎悪に後押しされ、
エルサレムの事態は、近年では例がないほどに異様な状況へと突き進みつつある。

21日夜(現地時間)に、パレスチナの若者が、自身の住む村の隣にあるイスラエル入植地に入り、入植者家族3人を刺殺した。
この件も、私が知る限り日本では報じられていないが、(小さく事実関係のみを報じたり、また状況を読み誤った報道はあったかもしれない)
この青年が、最期に残したフェイスブックメッセージが、現地では話題になっている。
そしてこれは、誰もが読むべきものだと私も感じる。
全てを踏みにじられた、前途あるパレスチナの若者の遺言。
ここから私たちが学ぶべきことは少なくない。


これは、私の遺言だ。
私は、若い。まだ20歳にもなっていない。たくさんの夢や大志を抱いている。
私たちの女性たち、若者たちが正当な理由もなく殺されている、この人生はいったいどうなっているのか・・・・。


アベド(青年の名前)は、入植者を殺すために立ち上がった。なぜなら、「彼らは(入植者たち)アルアクサモスクを冒涜し、そして我々は眠りこけている(冒涜行為を目の前にして何もしない)」そして「何もせずにただ傍観し、眠りこけていることは恥辱以外のなにものでもない」
彼の遺言は続くが、引用はこれくらいにしよう。

最近の騒乱では、パレスチナの若者がイスラエル軍、国境警察に殺され、また彼らはパレスチナの病院を急襲し、遺体を冒涜している。
度重なるこれらの犯罪、法の不在、そして冒涜と恥辱・・・・。

もう少し引用しよう。

「武器を持っている者たちへ。あなたの武器は、錆び付いている。結婚式と祝い事のみに銃を撃つのか。あなたは、自分で恥ずかしいと思わないのか。何故あなたは、アッラーの名において宣戦布告しないのか。彼らはアルアクサを閉鎖したが、あなたの武器はそれでも錆び付いたままだ」

彼の強烈な苛立ちは、敵であるイスラエル当局、入植者たちのみならず、度重なる不正を目の前にしながら、なんの行動も起こさないパレスチナの大人たち、仲間たちへも向けられている。
彼の言葉からは、彼が純粋で、深く信仰の心をもった若者であることが読み取れる。

彼の遺言を引用して記事を書いたのは、例によってイスラエル人ジャーナリストのギデオン・レヴィだが、彼はこれをイスラエル人たちに読んで欲しいとの思いで書いている。
なぜなら、アベドの書いたことは真実であり、またイスラエルの政府や官憲は、アベドの問いに答えられないし、しかし応える義務があると彼は感じているからだ。

私もそう思う。
殺人を正当化するわけではないが、アベドたちが置かれた状況では、それは正当化されることが少なからずある。そういうことだ。もっといえば、それ以外に方法がないということでもある。
そして、占領に立ち向かうために武器を取ることは、国際法でも認められた正当な権利であることを、私たちは忘れてはいけないし、それのために命を賭ける人々を、間違ってもテロリスト、犯罪者と見紛ってはならない。

 そのことを解決することが出来る可能性は、ある。まだ微かにあると思うが、そのためには多くのイスラエル人が、目を開き、自分たちの「幸福」で「神に約束された」何不自由ない暮らしは、パレスチナの人々の家や土地を収奪し、抵抗する人たちを殺し、財産を接収し、平穏に暮らしたい人たちの夢や希望を踏みにじってきた上にあることを認識するのが第一歩。
 それから、謝罪や補償を経て、土地や家々をパレスチナの人々に返還しなければならない。
その後に、もしかしたら平和的な共存が可能かもしれないが、それは困難な道であろう。ただ、パレスチナの人々が、戦後5世代以上にも渡って舐めてきた苦難や恥辱や悲しみに比して、イスラエル人の苦痛などたいしたことはない。

近い将来のことを話そう。

第2、第3のアベドはこれからも現れるだろう。
そして、まだまだ罪もない若者たちが、その命を失っていくことになる。
これだけの悲しみと苦難を経たあとにも、平和は訪れるのだろう。
でも、それがどんな平和なのか、現段階では、とても想像することはできない。

でもまずは知って欲しい。




                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       


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by shmurat | 2017-07-24 10:58 | 今の世界を考える | Comments(0)