イスラームは偽善なのか 女性たちの苦境から思うこと

昨晩NHK BSドキュメンタリーの再放送を観た。

シリアから死ぬ思いで逃れてきて、さまざまな苦難の中で、さらに困難な状況に置かれている女性たちを、追い打ちをかけるように襲う「偽装婚」という過酷な現実。その中で生きる当事者たちに取材し、その発言を引き出し、さらに彼女たちをバックアップする動きや欧州へ逃れていく彼女たちのこれから、希望の光までを取材した、極めて優れたドキュメンタリー。

 ムスリムの立場から書くと、残念ながらこのドキュメンタリーで描かれたようなことは、現実にある。それも、かなりの数にのぼると思う。ただ、その実態にたどり着くことは容易ではない。ましてや、男の側からこのような現実にたどり着くことはほぼ不可能だといっていい。
 イスラーム世界の男たちも、そういうことを熟知している(ましてや、女性からは決して言い出せない、女性がたとえ声を上げても、家の名誉、男の名誉が優先され、女性の声は圧殺される。どころか、女性は家や男の名誉の為に殺されることさえ少なからずある)からこそ、厳しい境遇にある女性たちをターゲットにして、やってくる。
 この番組では、偽装婚とまで言い切っているが、そのくらいにしないと、この慣習はなくならないのだろう。
もともとは、預言者の時代以来の戦乱の中で、夫や男の家族を失った女性たちを守るために出来た慣習であり、それは決して男の都合のいいようなものではなかった。
 が、後代になってからは、男たちの都合のいいように解釈され、今にいたる。
私としては、観ていて気分が悪くなったが、女性たちを救おうという動きが出てきて、また国連機関なども動いていることもあり、より大きな動きが活発になり、女性たちがほんとうの意味で救われるようになってほしい。
 また、こういうことに関わっている男たち(サウディアラビアや湾岸の連中が多い)は、罪に問われるべきだ。

ただ、これをみて、イスラームに反感や嫌悪を抱く人がいたら、それは違うとだけはいいたい。
イスラームは、そういうことを否定、認めず、そういうことに関わった男たちを裁く教えである。つまり、それを解釈、実行する人間に問題があるといえる。
 いずれにしても、非常に事態は深刻であり、ムトア婚に関わった男たちは訴追されるべきだ。それがたとえ湾岸の王族であろうとも、著名なビジネスマンであろうとも。それが出来ないと、イスラーム社会は成熟していかないと思う。
ある意味、今のイスラーム世界の混乱は、そういうことも含めた、都合の良さでごまかしてきたことのツケを払わされているのかもしれないが、女性たちや弱者が相変わらず苦しんでいる実態は、容認できない。
ただ、それは救われるべきだし、救うことの出来る人、組織、政府はあるのに、彼らはそれをしようとしない。まさにハラームである。
 彼らが真にイスラームに帰依しているのならば、こういった女性たちを救わねばならない。

いずれにしても、多くの人に観て貰いたいドキュメンタリー。





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by shmurat | 2017-06-12 18:58 | 今の世界を考える | Comments(0)