映画「沈黙」を観て 

 話題の映画、「沈黙」を観てきた。
上映開始とともに見に行くはずだったが、ようやく果たせた。

映画の話は、映画評みたいなことはそれほど好きではないし、意味がないと思うのでやらない。
ただ、原作とくらべてきになった点などは書きたい。
後で少しくらいは書くかもしれないが。

基本的には原作と同じストーリーだが、いくぶん話が前後したりもしていて、また3時間近い映画ながら、
なぜか時間が短く感じられた。
原作に忠実に描こうとするあまり、でもあるのかなと思ったが、その辺は他の人がどう思うのか。

また、実は私が一番予想とは違って残念だったのは、映画全体のトーンが明るすぎたこと。
デジタルっぽさが強すぎた。原作の内容からしても、もっとフィルムっぽい色調、全体に粒状感を出して欲しかった。
そのほうが、原作に流れている悲哀や重苦しさ、救いようのない暮らし、人々の怖れや疲労困憊さなど、がより表現できたはず。
 
また、ロドリゴ司祭らが、民衆の悲しみ、悲惨な暮らしや運命を見て、衝撃を受け、そして神に祈り、神に疑問をさえ抱くようになっていく
その心の葛藤、その大いなる煩悶が、あまりにも軽々しいのだ。
難しいことはわかるが、スコセッシだからこそ出来る、と考えてしまった自分が悪いのだろうか。

またネタバレになるので書かないが、ラストのシーンは、なんとも。
あれは想像できたことであるので、そういうことだと(そうであって欲しい)と思って観ている人もいるのだから、
想像の余地を残して欲しかった。
また、見せ方としてもどうだろうか。

実は、期待が高すぎたこともあって、見終わった後に「何か違う」という思いを抱いてしまったことは間違いない。
しかし全体として、非常にいい映画だと思うし、なによりも日本でかつてあった事実に基づいている上に、
宗教の問題や当時の日本の状況にかけて、じつは人間の本質。人間が生きている事に対する根源的なこと、
を問いかけている作品でもあるので、是非多くの人に観て貰いたいと思う。
もちろん、原作も併せて読むことが必要であろう。

また、この映画を字義どおりに解釈したら、理解力が甘い。
洞察力に欠ける、と言わざるを得ないだろう。

現代に起きている問題。
たとえば、シリアやイラクで起きている問題。
「棄教」や「背教」、それにまつわる生と死。これは400年前の話ではなく、現在も起きている問題なのだ。
だからこそ、「沈黙」は優れた作品だと言えるのではないか。
ある地域や時代、特殊な文化などに固有の問題ではなく、全地球、全人類にとって、また時代も問わず、優れて
普遍的な作品なのだ。
 
 まだ観てきたばかりで、考えがまとまっていない。
あらためて、また感想も書いてみたいと思う。




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by shmurat | 2017-01-29 16:27 | 映画 | Comments(0)